生活習慣病にそなえる
入院患者の約3人に1人はかかっている生活習慣病に備えて必要な保険を選びましょう。
生活習慣病と呼ばれる「がん」「心疾患」「脳血管疾患」に対して、どのような備えが必要か考えたことはあるでしょうか。もし病気にかかってしまったとしても、最新の医療技術により死亡率は大幅に減少。日帰り手術などでの入院日数の短縮で早期の社会復帰が可能になったなど、近年の医療は目覚ましい進歩を遂げてきました。
しかし一方で、症状によっては介護が必要になってしまい、働けない期間が長期化する、治療費により生活が圧迫されるなど新たなリスクも増えています。
「死亡リスク」は下がったものの、「働けないリスク」と「介護リスク」への備えは必要です。
もしもがんになってしまったら
新たにがんと診断される数は、1975年にはおおよそ20万6千人程度(推計)でしたが、診断数は年々増加し、2005年にはおおよそ64万6千人にも及びました。
性別・年齢別がん患者数の推移
しかしながらその反面で、医療技術の発展・進歩によりがん患者の死亡率は年々減り、がんは”不治の病”ではなく治る時代になりました。人間ドッグや定期健診などで早期に発見できれば高い確率で治療ができ社会復帰も可能です。
がんと診断されてからの生存率
あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標に「5年相対生存率」というものがあります。
あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体※で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。
次のグラフは5年相対生存率の推移の上昇を表したものです。
がん罹患後の仕事の継続
がんに備えるために
がんが治る病気になりつつある一方で、手術では取りきったはずの小さながんが残っていることが原因で、再発する可能性も見過ごせません。手術して安心するのではなく、再発などのリスクにも備えておくことも重要です。
がんになった場合の保障の一つに、がん保険があります。従来のがん保険では、がんに罹患した場合、入院日額の上乗せや退院後の通院日額を充実させるという内容が一般的でしたが、医療の発展により、がんに罹患しても入院日数は長くなく、退院後の通院日数も短くなりました。
しかしながら、退院後すぐに社会復帰できる方は現状、決して多くはありません。自宅療養となり、麻痺などの症状が残った場合は、自宅をリフォームしなければならないケースもあります。
最近ではそういったリスクを踏まえ、がんになってしまった場合に一時金を支払う(診断給付)保障を選択することが一般的になっています。
約2人に1人は一生涯のうち、がんにかかるといわれています。
現在、加入している医療保険を見直し、がん診断給付などしっかりとした保障を備えておきましょう。
もしも心疾患になってしまったら
心臓に何らかの障害が起き、それにより血液の循環不全によって引き起こされる病気を心疾患といいます。
心疾患には、脈の乱れを起こす病気(不整脈)や先天性の心臓病、心筋や心膜の病気などさまざまなものがあり、その中で生活習慣が原因のものが虚血性心疾患です。
虚血性心疾患は、冠状動脈が動脈硬化のために狭くなり、心臓を動かしている心筋に酸素や栄養が十分に行き届かなくなることが原因で起こります。そのため、心筋が一時的に血液不足になって胸に痛みを引き起こす「狭心症」や、完全に血管が詰まってしまい、胸に激烈な痛みが生じる「心筋梗塞」を招く恐れがあります。
高齢者や糖尿病患者などでは、狭心症や心筋梗塞を発症しても痛みを感じない場合もあり、 原因不明の不整脈や倦怠感などを訴える方もいるので注意が必要です。
狭心症と心筋梗塞の違い
狭心症
心筋梗塞
心疾患に備えるために
心疾患は日本人の死因の第2位、特に心筋梗塞は突然死の最大の原因ともいわれています。
しかしながら、上記のデータを見ると狭心症患者数は心筋梗塞患者数の約20倍。狭心症を含めた心疾患に対応した保険の備えが必要です。
もしも脳血管疾患になってしまったら
脳の血管に異常が起きることが原因で起こる病気を、脳血管疾患と言います。
脳血管疾患にはいろいろな種類がありますが、中でも最もよく知られているのが脳卒中です。
脳卒中の分類
脳卒中は、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞 の総称です。
脳血管疾患に備えるために
日本人の死因の第3位として脳血管疾患があげられますが、近年の医療技術の進歩により、20年前に比べると男女ともに死亡率は約70%減となっています。しかし一方で、脳卒中においては患後にしばしば重篤な後遺症が残る場合があります。
介護が必要になった主な原因のうち、男性の4割、女性の3割が脳関連となっており、くも膜下出血の場合は再発の確立が非常に高い傾向にあります。 後遺症としては、脳が正常に働かないことが原因による失語・失認・失効障害などがあり、運動神経が麻痺し、歩くこともできなくなるなど症状は様々です。
治療が長期化してしまうと、治療費の負担だけでなく、自宅療養にむけたリフォーム代金や社会復帰までの生活費など精神的にも経済的にも大きな負担を背負うことになります。
そのような、患後のリスクにも備えることができるよう、今から準備を行うことは大切です。